この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね

太田垣 百合子と立野 由利子の発行したZINE『この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね』の続きです。

7月24日(52)

百合子さま

7月24日土曜日。4連休、いかがお過ごしですか。

この3週間の間に激しい夏が来ましたね。今年も日傘は大活躍です。通勤路にある解体現場が、土埃が立たないように水を流してるのですが、その排水溝に向かう茶色い水までもキラキラしていました。夏は一番好きな季節であらゆるものが生命力にあふれて見えるので、ずっとこんな感じだといいな。

何回か日記を書いて消してしてたんですけど、今日また書き直してます。ここ10日ぐらい仕事でモヤモヤすることがあって、相手にも疲れるけど、自分の中から出てくる「ちゃんとしてよ、これぐらい」という気持ちにくたびれてしまって、日記にも自分は悪くないとか誰が悪いわけでもないという気持ちが出すぎててなんだか嫌な気持ちになりました。それを人に見せることを私は悪くないと思ってるけど、百合子はどう思うかなとか考えて、もしかしたらこういうのを「大人になる」とかいうんですかね。う〜ん...

昨日、ちょうどこの前話したアート関係で出張に行っていました。1日ずっと撮影でくたくたになった後、建物の外に出たら藍色の空にシュッと緋色の線が走っていて、ぽけーっとした気持ちになれました。展示は長い期間やるので百合子も機会があれば。

ちょっと前に細〜い白〜い三日月を見て、車の後部座席に乗って窓を開けてあいつを追いかける旅に出たかったです。どこにも行けないから知らないところに行く想像ばかりしています。

由利子