この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね

太田垣 百合子と立野 由利子の発行したZINE『この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね』の続きです。

12月30日(68)

百合子さま

12月30日木曜日。昨日スーパーに行ったらしめ縄やら餅やらいっぱい売られてて年末だ...と気が重くなりました。年末はたくさんの人が忙しなくずんずん動いている感じが昔から苦手です。年始も三ヶ日ぐらいまでは「おまえなんかただのなんでもない一日やからな!」と心の中で唱えながら過ごしてます。ふつーに本を読んだり、SNS見たり、寝てたりするのが許されん感じが落ち着かなくて怖いです。

最近の自分は現実的な言葉を使いすぎててそれが悲しくて、ちょっぴり沈んでます。わかりやすいし、褒められたり共感されたりするけど、左胸の下ら辺にある誰にも見せてない私だけのおとぎの国みたいなのがどんどん狭くなってきてるみたいで辛いです。

なんやろね、話を聞いてくれる友だち、初めて行った喫茶店のおいしいプリン(アイス乗ってた)、いくらでも目を逸らさせてくれるアイドルと芸人、たくさんの「ありがとう」と思えるものに囲まれてなお、自分だけの「強さ」を持ってないと守れないものがある。

いま、自分の中の水も急激に変わっていっている。自分の中に留めてしまってた言葉を外に出していきたい。ずっと自分の中はがらんどうやなと感じてて、だからインタビューとか大好きやった。でももうそういうことじゃないよね、って。

安穏も混沌もいきすぎると私は言葉を外に出すことをサボってしまうから、バランスをとりつつ書いていこうと思います。

なんやらすごい暗くなってしまったけど、だいたいは楽しく過ごしておるので大丈夫です。気持ちが下がってるときはDr.ハインリッヒの「顔」という漫才か、岡田敦さんのユルリ島の映像を見てます。それで大体元気になる。

年始から忙しくなると聞いているので、年末はびよーんと体を伸ばしてね。

百合子の歌詞もクラシックギターも目にする耳にする時を楽しみにしています。

それでは。

由利子