この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね

太田垣 百合子と立野 由利子の発行したZINE『この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね』の続きです。

10月25日(63)

由利子さま

10月25日、月曜日。秋だ!
書くことは沢山あるはずなのに何故か乗らなくて、遅くなっちゃいました。


20日に出た西加奈子さんの5年ぶりの長編を、1日ちょっとでガーッと読み切ってしまって、放心。好きな作家さんの、まだ出会ったことのなかった言葉の並びがズッシリ、手の中にある喜びは、他には替えられないものでした。情景を思い浮かべたり、登場人物に思いを馳せたりするより先に、身体の中に飛び込んできて脳内かき回してくれる読書体験をさせてくれるのは、わたしにとっては西さんの言葉だけです。


前の前の週末は南極ゴジラの人たちと尾瀬に行って山小屋に泊まりました。もともと「山小屋ごはん」って本を読んで、山小屋ごはん食べたいねって話してて、今回決行したんですが…ハマりそう。美味しい空気の中で美味しいものを食べるの最高です。


心の動きが鈍くなってる気がして、怖くなって。そういう時は手当たり次第に詩集を引っ張ってきて音読することにしています。最近はそれでも足りなくなって、暗誦しています。一週間くらい山寺に篭った方がいいかもしれへん。人と会うのも話すのも、やる仕事があるのも楽しいけど、なんか、ちゃう。


昨日は、鉄道模型が店内を走っているカフェに2時間半居座って、今年の絵本翻訳大賞の課題の素訳をやりました。来月末締め切りなので、そろそろちゃんとやります。


百合子