この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね

太田垣 百合子と立野 由利子の発行したZINE『この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね』の続きです。

3月9日(73)

由利子さま

 

3月9日、水曜日。晴れ。

朝から会議に出て、今ご飯を食べながらこれを書いています。

 

先週末初めて、マームとジプシーの舞台を観に行きました。『Light house』

すんごくすんごく良かったです。時間と空間がぐるぐる回って行ったり来たりして溶けて、観ているわたしとも一緒になって、この世だけどこの世じゃないみたいな、言葉だけど言葉じゃないみたいな、不思議な感覚のままぼうっと、でもしっかり全感覚を澄ませて居られる場で。何言ってるのかちょっと、自分でも纏まっていないんですが、とにかく、すごく好きでした。舞台のひかりと、青柳さんがめっちゃ格好よかった。

もっと早く出会っておけば良かった…という気持ちです。

 

それからずっと、今日マチ子さんの作品を読み漁っています。

『もものききかじり』読んで、演劇やりたくなっちゃった。

 

ウクライナでの戦争が始まってから、Twitterにもブログにも、この交換日記にも、能天気なこと書いてちゃいけないような気がしてしまって、ずっとぐるぐる、書いては消してを繰り返していました。わたしは「怒り」の感情が得意でないので、ひたすら「悲しみ」だけを、共有している気持ちでいます。何にもならないかもしれないし、それが正しいのかは誰にもわからないけど、とにかく一緒に、傷つこうと、今は思っています。遠く離れたところで、生活をしながら。自分勝手だけど、何も思わないことが一番怖い。

わたしは3月が好きです。そろそろ、夜にお散歩できる季節。

由利子さんと、どこか川べりでお花見したいです。うー鴨川の桜が恋しい。

 

百合子

p.s. ミランダ・ジュライの『最初の悪い男』読んだことありますか?