この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね

太田垣 百合子と立野 由利子の発行したZINE『この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね』の続きです。

4月20日(43)

由利子さま

4月20日、火曜日。東京は一昨日から3日連続快晴です。


1日、エイプリルフールなんてものの存在はすっかり忘れていました。 一ヶ月前から「親知らずを抜く日」と決まっていたので、初めての麻酔と初めての抜歯のことで頭がいっぱいでした…。環境変わらずとも、なんとなく何かが少し新しくなったように感じられる、新年度の初日に、神妙な面持ちをした歯科医師さんに「そこにあったものを取り除かれる」のは、ちょっとした儀式のようで。めっちゃドキドキしてたのに、考えだしたらおもろくなってきて、施術中、笑い出しそうになりました。

エイプリルフールに2本、先週の金曜日に残りの2本を抜いて、親知らずとは完全におさらば。まだ少し、抜いたばかりの側のほっぺが痛いです。抜いた歯「せっかくやし」と思ってもらって帰ってきたんですけど、どう考えても要らんかった…。洗面所で居心地悪そうに隅っこにまとまっています。


Zine、続々自分たちの元から旅立っていって、愛おしいですね… この前会った友人は鞄に入れて持ち歩いてくれていました。「間が空いているところがええな」と。想像出来る余白があるのが、楽しいらしいです。


最近、突然、ピンポイントな「たべたいもの」が頭の中に現れます。ちまきとか茶碗蒸しとかとろたく巻きとか筍ご飯とか…。昨日は朝起きた時から無性に「めっちゃ焼きそばたべたい」モード。でも、自分で夜ご飯に作る気持ちにはなれず、諦めて近所のインドカレー屋さんに行ったんです。そしたらなんと「サービスで~す」と、小皿の焼きそばが出てきました。インドカレー屋で焼きそば(笑)勝手に運命を感じて「今日わたしは来るべくしてここに来たのや」と頷きながら焼きそばとカレーを食べました。ちいさなハッピー。2週間ほど前からずっと居座っている食べたいもの候補「筍ご飯」はそろそろほんまに思考を支配してきそうなので、作るか食べに行くかしようと思います。由利子さんが近くに住んでたら「筍ご飯の会しましょ~」ってお誘いできるのに。


今年のGWは実家に帰らないことにしました。こっちでひっそり何か楽しいことを見つけて過ごそうと思います。今は届いたばかりの、工藤玲音さんの歌集「水中で口笛」に付箋をつけつけ読んでいます。週末は、短歌教室最終講義です。さみしい。月末に歌集が出るので、よかったら読んでください…!


百合子