この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね

太田垣 百合子と立野 由利子の発行したZINE『この窓のこの角度からの景色には世界でいちばん詳しくいるね』の続きです。

7月4日(50)

百合子さま

7月4日。むしむししてる日曜日でした。まとわりつく湿気。

三角巾、おかげさまで無事に取れました。まだ若干痛みはあるし、怪我する前のように腕が使えるわけじゃないですがだいぶ元気になりました。

私の好きなアイスはですね、チョコモナカジャンボ、板チョコアイス、ブラックモンブランとかです。スーパーカップも食べる!さっき、チョコチップ味を食べたばかり。

京都でかき氷食べたいめっちゃわかる。あのじりじりと頭から溶かしてくる京都特有の暑さがかき氷へのハードルをぐんと引き下げてくれます。

最近、仕事でアート作品を見たり作家の人に話を聞く機会が多いです。中には自分の背丈よりずっと大きな作品を作る人もいて、そのダイナミックさ、言葉に囚われない佇まいに圧倒されます。「作品の空間や時間への作用を考えました」と取材で言われて、私は本も文字も好きだし、仕事で文章書くのもなんだかんだ続いてるけど、手で持てる紙やスマホに文章が収まってしまってるのってもしかして変なのかもなあ、と思ったりしました。

今は猛烈に海に行きたいです。数日前、同じ日にgoogleのロゴでワッデン海を知り、haruka nakamuraのMVで牛窓を知り、ちょっと前に齋藤陽道さんが撮った海(熊本
?)の写真を見たことを思い出して、こんなに立て続けに海が画面越しに出てくることってない!とひとりで盛り上がってました。
どこにも行けないまま町の風景ばかり見ているので、きっと果てなきものを見たいんだと思う。打ちのめされたいのかもしれない。

数年前に能登の友人を訪ねて行った時に、昼間は青くて光が走っていた海が、夜は真っ暗でごうごうと音を立てながら迫ってきたのを思い出しました。砂浜に立っていると自分の在所が分からなくなる不思議な時間でした。

夏が終わるまでにワクチン打てるのかしら。見通しが全く立っていません。

由利子